- 不意の異変と人々の温もり - 2005.11.02
最初の異変は、キガリの中心街にあるインターネットカフェでネットをしていた時に襲った。頭痛がする、ひどく気分が悪い。2、3度トイレに行く。下痢だ。たまらず会計を済ませ、外に出ようとする頃には、ますます気分が悪くなり、吐いた。まずいな、苦しい。
地面にへたり込んでしまう。従業員のねえさんが、水を持ってきてくれて、差し出してくれる。呼吸を整え、なんとかネットカフェを出て、タクシーの後部座席に倒れこみ、宿へと行く。同宿の男が、出張先のタイで買ってきたという頭痛薬をくれる。部屋で横になる。それからまた、嘔吐と下痢の繰り返し。ひたすら水分だけが排出される。
身体が熱い。熱まででてきた気がする。くそっ、信じたくはないが、マラリアかもしれない。宿の従業員に教えてもらい、すぐ近くにある医者に行く。道ゆく人にたずねながら、ふらふらになりながらもなんとか病院にたどり着く。緑の美しい屋根を備えたモスクの向かいにある、石造りの小さな小さな診療所だ。
ナースに症状を伝える。それから、検便をするというのでトイレに行って、しばらく試みるが、こんなときに限りなかなか出ない。それでも、気分はますます悪く、一旦トイレを出る。それから、異変を感じすぐにまたトイレに駆け込む。ひどい嘔吐。まるで破裂した水道管の如く、まるでちょっとした鉄砲水の如く、まるでバケツをひっくり返したかの如く、口から水分がひたすら噴出される。トイレに入り込んできたナースとドクターに担ぎ出される。
なんとも情けないことに、俺はヘロヘロだった。ベッドに横にならせてもらう。それから、マラリア検査のために、指先から採血をした。また、嘔吐した際に必要だから、と言ってミネラルウォーターに粉末薬を入れて、黄色くなったクソまずい液体を大量に飲まされる。
しばらくして、診察室にて医師による診察を受ける。どうやらマラリアではないらしい。そいつは朗報だ。自然と笑みがこぼれる。ただし、もちろんそれを信じていいのなら、という話ではあるが…。注射を一本射ち、処方箋をもらい、診察料を支払う。とても安い。それから、抱きかかえられる度にナースにくりかえしていた言葉を彼に対しても繰り返す。
ウラコーゼ....
ありがとう、って昨日覚えたばかりのキニャルワンダ語で、力ない声をふりしぼって。
それから、薬局で薬を買って、宿へともどる。部屋で横になっていると、昨日食堂で相席したおっちゃんが、どこで聞きつけたのか、マラリアの薬を持ってたずねてきてくれた。自らの希望とともに医師の診察を信じて、マラリアじゃないんで、と言って薬は断ったけど、ホントありがとな、おっちゃん。ありがとう。
そして再びベッドにもどる。まだ身体はひどく熱く、苦しくはあるけれども、人々の温かさと愛によって、いくぶん気分が良くなっていくように感じる。それから、1日2リットル飲むように、と深く念を押していたナースのねえさんを思い起こして、あのくそまずい粉末水を口から注ぎいれる。
ウラコーゼ、キガリ。ウラコーゼ、ルワンダ。
>>> ルワンダ紀行 (3) - 夢うつつのラマダーン明け -
【バックナンバー】
・ルワンダ紀行 (1) - はじまりの日 ルワンダ上陸 -
・ルワンダ紀行 (2) - 不意の異変と人々の温もり -
・ルワンダ紀行 (3) - 夢うつつのラマダーン明け -
・ルワンダ紀行 (4) - アボガドの思い出 -
・ルワンダ紀行 (5) - 旅を噛みしめて -
・ルワンダ紀行 (6) - 明日のルワンダと -
|
2006年05月14日 13:44
(C) Copyright 2006 Nagana Japan. All Rights Reserved.
http://www.naganajapan.org/jp/archives/000271.php