エンカウンターズ映画祭 2005 (2)
エンカウンターズ南アフリカ国際ドキュメンタリー映画祭で、ボランティアを募集したのは、前回2005年度がはじめてだったらしい。僕はというと、ボランティアを募集していたことも知らずに、半ば勢いで手伝いを申し出た。相変わらずのずうずうしさである。ただ、僕が申し出たときには、まだ募集を開始してはいなかったようだけど…。
エンカウンターズ映画祭は、毎年7月から8月頃、南アフリカのケープタウンとヨハネスブルグの2都市で開催される。昨年は、初めての試みとして、モザンビークの首都マプートでも開催された。メインは、エンカウンターズの本拠地ケープタウンだ。
スタッフとボランティアのほとんどは、現地南アフリカのケープタウンやヨハネスブルグに住む人々だ。わずかにヨーロッパから一時的にケープタウンに滞在している者もいたが、わざわざ遠くアジアからやってくる者は僕をのぞいていなかった。けれども、南アフリカ人と一口に言っても、親友Jの人脈でツワナ族がわりあい目立つものの、民族や出自は本当に多種多様である。
僕はケープタウンの開催期間途中から手伝いだし、ヨハネスブルグはほぼ全期間お手伝いさせてもらった。微力ながら。基本的には事務補助、広報、会場案内といったところ。ケープタウンではまず、オフィスにて地味な雑用に勤しんだ。観客に映画の評価を投票してもらうための投票用紙に映画タイトルのスタンプを延々と押していくとか、そういった類のことである。非常に地味で、単純な反復作業に近いものだったけど、僕はこれが好きだった。
たいてい日中には、オフィスでお手伝いをして、それから夕方前後に会場に行く。ケープタウンでは、会場においては、かなり自由にさせてもらい、たいていは特権を利用して、隅で上映作品を鑑賞していた。時々、人手が足りない時に、DVDの販売や投票用紙の回収など、臨時に手を貸すといった程度だった。
一方、ヨハネスブルグにおいては、会場での業務のお手伝いがメインとなった。他のボランティアと分担して、会場整理、DVDの販売、投票用紙の回収と集計、それから、僕はほとんど助けにはならなかったけど、映像や音声のチェックと調整、上映前後の挨拶などだ。この映画祭は良くも悪くも手作り感覚が残っていると思う。上映前には、それぞれのスタッフやボランティアのやり方で、スクリーンの前に出て、イントロダクションをする。作品に関すること、それから必ず、スポンサーの紹介をする。たいていの場合オチは、アイリッシュウイスキーのジェイムソンである。ちょっともったいぶった後に、「これからは、ジェイムソンだけ飲み続けてね。」てな感じで軽く観客の笑いを誘ったりする。

海外で働いた経験が皆無の僕にとって、時にアクシデントの際に力になれないもどかしさもあったりしたけれど、この環境はとても素晴らしく快適で、思い出深いものとなった。そして何よりも、すてきなのは人との出会いだった。スタッフやボランティアとともに、一体となって創りあげる感覚、このフェスティバルに参加できたことに、僕は心の底から感謝している。上映された映画の監督や出演者らゲストとの触れ合いやひとりひとりの観客との触れ合いもまた、とても印象深い。
必ずしもすべての観客が満足してくれたわけではないのかもしれないし、確かに失敗やアクシデントもあったけれども、僕はこのときの一ヶ月余りを振り返ると、満足感で満たされるように感じる。そして、やはり思い浮かぶのは、出会った人々、ひとりひとりの顔なのだ。
連載第3回は、上映作品に関する記事を5月25日頃更新予定。また、第4回は、パーティーなどイベントに関する記事の予定。
【バックナンバー】
・エンカウンターズ映画祭 2005 (1)
【公式サイト】 ENCOUNTERS 2006
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2006年05月20日 16:48 |
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